コロナ感染者数の第4波の「主犯」は、若者ということになっています。国会で尾身さんも、大阪の吉村さんも断言し、完全に定着した感がありますが、本当にそうでしょうか。テレビのワイドショーでも専ら行動抑制のターゲットは若者で、早稲田駅前の立ち飲みを大々的に報じていますが、合点がいきません。夜の街言説の二の舞にならないとよいのですが。
写真は午後8時の渋谷。暗いといえばくらい、人通りも少ないといえば少ない。でももっと大事なのは、インドからの往来を止めない、一方でオリンピックのために看護師500人の拠出を要請する、オール政府の対応だと思います。
今日から緊急事態宣言が発令されました。神奈川県は蔓延防止等重点措置が続きます。ということで、小田急線・新百合ヶ丘駅周辺は、ショッピングセンターも映画館もお店も、ほぼ全部開いていますが(時短と酒類提供自粛)、その前後は東京都のため、百貨店も休業、博物館・公園も閉まっています。駅の両側で対応が違うことが話題になっていますが、ほぼ同じ状況ともいえます。
この「マンボウ」下での「酒類提供禁止」は、明らかに脱法行為ともいえます(緊急事態宣言でも、こうした要請が想定されていたかどうか不明確です)。なぜなら、2月の国会で特措法担当の西村康稔経済再生相が、「重点措置では、営業時間の変更を超えた休業要請は含めない」と答弁しているからです。ということは、居酒屋などの飲食店では、酒が飲めないことは実質的な休業を意味することからすると、アルコールNGは国会での答弁に反します。これを「あくまで酒を提供しないでという要請に過ぎない」と強弁する政府は見苦しいだけではなく、すでに法治国家の体(てい)をなしていないと思います。
ちなみに、緊急事態やマンボウ下における酒類提供禁止は、新型インフルエンザ等対策特別措置法施行令5条の5八の規定を適用する場合として、厚生労働省告示182号(2021.4.23)の1条4号と2条4号で「入場をする者等に対する酒類の提供の停止」として規定されています。一つ前の3号はカラオケの使用停止の条項です。この2つ(計4つ)が「新設」条項ですが、この意味するところは、政府が政令を自由に制定するだけで、勝手に私権制限を拡大できるということにほかなりません。
写真は大学の「裏庭」、生田緑地です。運動がてら来ましたが、多くの家族連れで賑わっていました。ちなみに、後ろに見える建物が専修大学生田キャンパス2号館で、手前は岡本太郎美術館です。
3度目の宣言発令にもかかわらず、ドタバタで一方的に市民生活に混乱を生じさせているのはおかしくないでしょうか。なによりも、いとも簡単に私権の制限を次々に官邸判断のみで国会審議もなく決めているのは間違っているのではないでしょうか。にもかかわらず、最大のネックである医療体制の強化には、お願いベースなのでこれ以上はできないと簡単に断言できるのでしょうか。いまだに、どういう根拠で最終判断に至ったのかの意思決定過程が、ベールに隠されたままであっていいはずがありません。なぜ、みんな怒らずに「仕方ない」と街角インタビューで答えているのか不思議です。もしかして(たぶんそうなんでしょうが)、テレビ局もこうした雰囲気作りに加担しているということなのでしょうか。
最も確実な感染蔓延防止が人流のストップであることは理解します。その切り札が「外で酒を飲むな」であることに日本の官僚の限界を感じます。全国知事会の要望事項が、ゴールデンウイークの旅行キャンセル代の全額補填なのも脱力です。無策な官邸・自民党だけではなく、地方も含めてやっぱり政治家はみな、この感染状況下に旅行に行こうとした一部の市民を、真っ先に救うのかと思うとがっかりです。僕はとても怒っていますし悲しいです。でも立ち止まっていては何も変わりません。諦めない。
写真は今日の百貨店ステッカー。閉店時点では、まだ明日の休業告知はありませんでした。
「川崎・しんゆり芸術祭 アルテリッカしんゆり2021」です。駅前では、ステーション・ピアノ(写真奥)やら大道芸やら。。。ジャズやクラシックのコンサート、オペラの上演もあります。昨2020年は、ほとんどの公演が中止となりました。