能登をゆく② 七尾


二日目は、志賀町、七尾市、能登町にはいります。お邪魔した北陸中日新聞七尾支局は、能登半島の取材拠点になっています。だいぶ片付いた資料室もまだ、地震発生時の時の大変さを感じさせます。

七尾の特徴は、一見、被災を感じさせない町の佇まいです。しかし、いま現在も多くの地区で断水が続き、日常生活を取り戻すことができずにいます。なんといっても大変なのはトイレ問題とのことです。1か月以上もトイレが使えない苦痛は想像を超えるものです。被災地最大規模の矢田郷地区コミュニティセンターでは、いまだ150人近くの住民の避難が続いています。ボランティアセンターも開設され、金沢からボランティアを運んでいます。ただし、全体としてボランティアの圧倒的な少なさが、1か月以上たった能登の大きな課題と言えるのではないでしょうか。あまりにも少なくて「異常」な状態です。県知事が仕切っていて各自治体や民間(VC=ボランティアセンター)に任せようとしないせいだ、との声がよく聞かれました。避難所を訪れた日は偶然、カタリバによるスガシカオのミニコンサートが開催されていました。2日間で6(4?)公演だそうです。

志賀町では地震被害とともに津波の被害もありました。

能登町ではスーパーがすでに営業を始めていました。

能登をゆく⑦ 交通


能登への大動脈は「のと里山海道」です。徐々に開通区間が増え、能登入りをした15日からは下り車線のみながら、穴水の手前まで行けるようになりました。これでアクセスはずいぶんとよくなり、金沢から輪島までほぼ2時間、珠洲までも3時間で到着します。ただし帰りは、いずれも下道(一般道)で戻る必要があります。鉄道も15日から開通区間が延伸しました。のと鉄道は能登中島まで、JR七尾線は和倉温泉まで行くことができます。ガソリンの高さも気になります。都内ではレギュラー160円ですが、金沢でも170円台後半、奥能登では180円台が当たり前です。国の補助の仕方に根本的な誤りがあるのではないでしょうか。

能登をゆく① 金沢


現地入りし、取材・報道状況をみてきます。金沢拠点で4日間。新幹線は、1か月後に控えた延伸準備が進んでいます。同じ駅待合室に、開業電子ボードと不通の案内が並んでいます。

能登をゆく⑩ 新聞


石川県に本社をおく新聞には、発行部数順で北國新聞北陸中日新聞の2つがあります。発行部数も記者の数でも2倍近いと言われていますが、紙面では互角の内容といってよいのではないでしょうか。今回の震災報道も、取材記者の総数では北國新聞が目立つとされていますが、北陸中日新聞もオール中日で石川県以外からの記者を特派しており、学科OBの中日新聞記者も珠洲に応援に入っています。

直近の報道課題としては、石川県が犠牲者氏名の公表を遺族同意を条件としていること、関連死の認定・公表が地元自治体の判断のため作業が滞っていること、避難所の取材が強く規制されていること、地元報道機関間で協調が取れていないこと、などが指摘できるかと思います。

「能登をゆく」と題し、以下の10回に分けて短信レポートを掲載しています(番号と掲載日にはズレがあり、①~⑤が訪問地のレポ、⑥~⑩がテーマ別です)。①金沢②七尾ほか③穴水ほか④珠洲⑤輪島⑥原発⑦交通⑧ワイン⑨放送⑩新聞

関連記事としては、琉球新報1月12日付、FNNプライムオンライン1月23日配信、東京新聞2月25日付をご覧ください。